バンドリ引退します

タイトル通りです。

理由は言うまでもなく、前島さん降板の件です。この件で思い切り熱が引いてしまった。もう以前のように無邪気にコンテンツを楽しめそうにないので、引退*1 という形で一線を引かせていただくことにします。

最初にお断りしておくと、私はこの件でブシロード・クラフトエッグさん、ましてや前島さんご本人を責めるような気持ちは全くありません。前島さんが丸山彩という役にどれだけ想い入れがあるのかは都度語られていた通りだし、ブシロード・クラフトエッグさんもそのような演者さんについて、降板という選択肢を取りたいはずがなく。平たい言葉で言えば、「仕方がなく起こったこと」なのでしょう。

でも「仕方がなく起こった」ということは、今後も同じような事態が平気で起こり得るわけですよね? 
私はこれに耐えられそうにありません。

先日、しばらく音沙汰のなかった前島さんからの声明が出た時に、真っ先に思ったのが「なんとか丸山彩は守ってほしい」というものでした。しかし、直後のガルパ運営からのツイートで、その望みは打ち砕かれてしまいました。冗談抜きで血の気が引いたというか、手足の先が冷たくなるような感覚でした。自分のことながら、私ってこんなにバンドリに思い入れがあったんだな、と正直驚きました。先日のライブ、BGP2020→2022にて戸山香澄役の愛美さんが、出演が取りやめになった前島さんについて「次はあみたの番」というようなことを言われていて、希望的観測を持っていたのも衝撃が大きくなった要因になるでしょうか。

声優さん、特に女性声優さんの降板についての話をすると、そんなにその声優さんを推していたのか、みたいに邪推する輩が現れますが、そういうものとは全く別で、声優さんだとか、男女とか関係なく、「あんなに熱量を持ってコンテンツに携わっていた人が平気で消えていく」という事実に恐怖を覚えました。こんな思いは二度としたくありません。時勢的なものもあるのか、最近は声優さんの降板・廃業のようなニュースもそれなりに出てきています。こんな言い方はしたくありませんが、メンタル面で不安定な面を露呈されている方もバンドリ内で思い当たり、他人事とは到底思えません。

少し前言撤回で、声優さん、というのは関係があるかもしれませんね。声を吹き込むことでキャラクターを彩る役割なのだから、いろいろな要素の中でも中核を担うと言えると思います。特に、前島さんはライブでの歌に踊りに、ほとんど「一心同体」だったので、ある意味他のバンド含めたどのメンバーよりもキャラクターそのものでした。他のキャラクターを下げるような言い方をする気は決してありませんが、それでも「最も失ってはいけない声優さんのひとり」だったと断言できます。

また、今回の件で私は、バンドリーマーのみなさまとの温度差のようなものを感じてしまいました。前島さん降板のお知らせがガルパ運営からツイートされた直後、そのツイートに対するリプライ、また直接のリプライではなくとも私のタイムラインに見える身近なバンドリーマーのみなさま・フォローしている絵師さんなどのつぶやき、そしてYouTubeに投稿されたこの件に関する動画に対するコメント、いろいろなものを見ました。もちろん、第一声としては驚きや戸惑いの声が多く見られましたが、いずれも締めくくりは「6年間ありがとう」「お疲れ様でした」という類の内容で結ばれていました。

正直私は「嘘だろ」って思いました。なんでそんなに簡単にお別れの言葉が出てくるの? 確かに1ユーザーがわがままを言っても覆るような話ではなく、敢えて声をかけるのであればそういう類のものになるのかもしれません。しかしそれにしても、皆受け入れるのが早すぎませんか? 6年に近い間、あれだけキャラクターの化身となって演じてくれていた役者さんが去るのに、そんなに簡単に切り替えられるもんなの? そして少し時間が経つと、今回のイベントストーリーが素晴らしいという話や、丸山彩役の後任は暖かく見守ろう、という「次」の話に興味は遷移していっているようでした。私はとてもそんな気にはなれず、取り残されたような気分でした。

そもそも私という人間が、「広く浅く」というコンテンツの楽しみ方でなく、「狭く深く」という楽しみ方をする傾向にあります。バンドリというコンテンツが日の目を見て以降、大きなところで言うと例えばウマ娘だとか、新規のIPというものは世の中にたくさんリリースされてゆきました。しかし、私はそれらに手を出すことはありませんでした。これは特にバンドリに固執しようとしていたわけではなく、また新規のIPを目の仇にしていたわけでもなく、私にとってはごく自然なことだったのです。そんな私なので、バンドリというコンテンツにとっての衝撃的な発表が、みなさまの占める面積よりも私の中で比較的に大きくて、それゆえ受け入れられなかったのでしょう。

バンドリのようなコンテンツ、声優さんが絡むコンテンツと言えばいいでしょうか、これは事情はさまざまなものがあるにせよ、声優さんの交代という事態は自然に起きるものなのかもしれません。実際に既にバンドリは前島さん以前にRoseliaの2名が声優さんの交代を経験していますし、敢えてポジティブな話をすると、もしバンドリというコンテンツが今後10年、20年と続いていった場合には、円満な形で次の声優さんに引き継がれるという未来もあるのでしょう。つまりは、今回のような交代劇は「そう珍しいことではない」。そう知っているみなさまは、こういった事態も受け入れることができる。しかし私は率直な気持ちとして、簡単には受け入れることができません。こういった事実、普通のバンドリーマーのみなさまとの違いを知ったことで、私はバンドリのようなコンテンツを追うには弱すぎるんだな、と思ってしまいました。私は「みなさまが持っているようなスピード感にはとてもついていけない」です。

思っていることをひたすらに書き綴ったのでとりとめもない文章になっているかと思いますが、これが今の私の正直な心境です。すごく幼稚でわかりやすい言葉にまとめると、「本来楽しむはずのコンテンツで辛い思いをしたくない」「ここまで辛い思いをしているのはむしろ特殊なようなので、外れるべきは私のほう」とかになるでしょうか。ただ冒頭に述べたように、バンドリというコンテンツそのものを始め、関係者のみなさまに恨みつらみがあるわけではないので、これからも遠巻きには応援したいと思っています。今後一切バンドリの情報はシャットアウトする、みたいな極端な姿勢は取らない。6周年を迎えると進学や3Dのライブも始まるようで、そうなったら少しくらい覗いてみてもいいかもしれない。それじゃ引退とは言わないのでは? という声があるかもしれませんが、もう以前のように無邪気に楽しむということができない以上、少なくとも一歩後ろに下がった状態、となっているのは間違いありません。できることなら、サービス終了というか、コンテンツの終焉まで隣で見守れたらよかったですね。今となっては叶わぬ願いです。

*1:という言葉を使うのも大げさな感じがしますが、ソシャゲについてはそういう用語を使うようなので